(以下、少しだけネタバレを含みます。)
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悪くないです。
個人的には、(映画として)十分に楽しむことができました。
しかし、“本格ホラー” や、『リング』の “新章” のようなものを期待して観に行くと、少し “違う” かもしれません。

(リング【Blu-ray】)
まず第一に「あれ?」と思うのは、『呪いのビデオ』の内容が違っていることです。
ビデオは、山村静子や三原山の噴火、白頭巾の男などは出てこず、終始、井戸から這い上がる “貞子目線” の映像で構成されています。
そして、(貞子が)井戸から完全に這い出ると、そこには、「今、自分がビデオを見ている場所(家)」が映っているのです。
※ このことは、映画の最後の終わり方にとても重要に絡んできます。

(貞子 角川つばさ文庫版 )
また、
□ タイムリミットが24時間に短縮されたことによる
「絶対に間に合わない!」という緊迫感や焦燥感
□ (貞子が)知っている人の姿を借りて現れる
という “新たな恐怖” も加わっています。
その一方で、一番に意外(想定外)だったのは、映画が
全体を通して多分にコミカルな要素を含んだ内容
になっていたことです。
「コミカルになってしまった」という意味ではなくて、はじめから “笑い” を狙った脚本になっているのです。
小芝風花までも、キリッとした表情のまま “笑い” をとりにいきます。

(F 小芝風花写真集])
小芝風花に関していうと、全体を通してずっと “いい顔” をしているので、小芝風花ファンの方は、間違いなく満足して帰ることが出来ることでしょう。
※ ちなみに、映画では、小芝風花も貞子(貞子が化けた小芝風花)になります。
そして、映画は
□ なぜ24時間に短縮されたのか
□ 何の目的で拡散されようとしているのか
□ 呪いを回避するにはどうしたらよいのか
(今回はダビングして他人に見せても駄目)
といった “謎” を解明すべく、ラストに向かって進んでいきます。
呪いの謎を科学的に解明できたかどうかは別として、ラストで小芝風花が導き出した “解決策” も「なるほど」というものです。(私は、映画の途中で気付きましたが)
そして、映画の終わり方(本当のラスト)もなかなか良く、「監督はきっとこれがやりたくてビデオの内容を変えたのだな」と思いました。
※ ですので、最後まで決して席を立たないでください。
全体を通して、ちゃんと真面目に作られている “いい映画” です。